大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和36(オ)1150 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人小神野淳一の上告理由第一点及び上告代理人渡辺大司の上告理由第一

点について。

原審は、要するに、上告人と被上告人との間に成立した本件山林についての所有

権移転の契約は、原判示の如き理由からして、所論の如き消費貸借に基づく譲渡担

保や民法五七九条の買戻約款付の売買ではなくて、完結の意思表示に代金の提供を

要する旨の特約のある再売買予約付の売買であると認定判断したのであり、原審の

右認定判断は、その挙示の証拠等を総合考察すれば、是認できないものではなく、

原審の右認定判断及び原判決に至る過程に所論の如き理由不備や理由齟齬等の違法

は見出せない。なお、論旨は、上告人が原審において援用した鑑定人Dの鑑定の結

果の採否につき、何ら判断説示をしていないというが、原審が右証拠を採用しなか

つたものであることは原判文に徴して明らかであり、また、本件山林についての所

論登記料や不動産取得税等の公租公課はいずれも売主たる上告人において負担した

ものであること等の事実は、原審の認定しないところである。論旨は、ひつきよう、

原審が適法にした証拠の取捨判断、事実の認定を非難するもの、または、原判示に

そわない事項を前提として原判決を論難するものに帰するのであつて、すべて採用

することができない。

上告代理人小神野淳一の上告理由第二点並びに上告代理人渡辺大司の上告理由第

二点及び第三点について。

利息制限法は金銭貸借の場合に限り適用すべきものであるから(大審院大正一〇

年(オ)第六九二号同年一一月二八日判決、民録二七輯二〇五一頁参照)、原審が

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前叙の如く適法に確定した原判示事実関係のもとにおいては、本件契約につき、利

息制限法の適用がないとした原審の判断は、正当であつて、原判決には利息制限法

に関する解釈の誤り、理由不備等所論の如き違法はない。また、本件再売買予約付

の売買が、所論の如く、ことさらに利息制限法を潜脱する目的でなされたものであ

るとの具体的な事情については、原審において主張立証がなかつたのであるから、

論旨中脱法行為に関する部分は、結局、原審において主張立証のなかつた事実を前

提として原判決を論難するものに帰着し、採用の限りではない。論旨はすべて理由

がない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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